【東京オリンピック】東京の病院にお勤めの看護師はじめ医療従事者の皆さんへ

我々看護師や医療従事者は矛盾を顔に出さず、仕事をするのです。

それはこの仕事の宿命かもしれない。

顔には出さない。
口にも出さない。
態度にも出さない。

そう、出してはいけない。

押し殺せ。
笑顔で対応しろ。
白衣の天使を演じろ。

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「救急部の看護師が足りない」

ヘルプ看護師としてお手伝いに行った10年以上前の思い出。

もうすぐ、救急車が1台来る。

90代、男性。心肺停止。

あぁ・・・・またか。

ヘルプに来ている間だけで何人目だろう。
深く考えさせないようにとばかりに、救急車のサイレンが近づく。

患者さんがストレッチャーで搬入される。

パジャマ姿のおじいちゃん。

救急隊員の心臓マッサージも「それなりの」力具合に見えるのは気のせいか。

一通りのレベル確認やバイタル確認ののち、引き継ぎ心臓マッサージをする。
ポキポキと胸骨が折れる、いや、折れている手応えがする。

「あちらで待機してください」と別室に家族を促しているのが視野に入る。

「挿管しようか」

医師の号令にて準備していたグッズを渡す。

生き返るのか?
生き返ってどうなる?
看取ってあげるべきだろ?

そんな思いを殺せない。

挿管し人工呼吸器に繋げる。
心臓マッサージは継続。

名前を呼んでみる。

もう声は届いていない、誰に習ったわけでもないのに肌感覚でわかる。

どのくらいの時間が経った?
おそらくそんなに時間は経過していないはずだ。

医師が家族の元へ行き、手を尽くしたが天命でしょう、と説明した。

心臓マッサージをやめるように指示され、皆で心電図波形を見つめる。

少し波形が動いてる。

人工呼吸器の器械刺激で生まれる波形が、まるで生きていると錯覚させる。

死亡確認。

手際良く、エンゼルケアをして霊安室へ。

「役に立たなかった」医療材料を医療廃棄物へ放り込む。

ポーポー

「やる意味あったんですかね?」

医師に問う。

「さぁな・・・・救急車で来たんや。やることをやるだけや。」

電子カルテから目を離さず答えた。

東京オリンピックと新型コロナウイルス感染

これを書いてる今日は東京オリンピック開会式当日。

前日の新型コロナウイルス感染、東京では約2000人確認。

その多くの患者はワクチン接種を望んでも巡り会えない年齢層だ。

私の病院でも、今入院している患者さんは30〜40代が目立つ。

ワクチン前は高齢者の入院が圧倒的だったのに、今はどうだ。
本気でワクチンの効果はないと言うのだろうか?

まぁ、いいや。

そんなことより、東京の病院にお勤めの看護師はじめ医療従事者の皆さん。
心から応援しています。
決して自分を追い詰めないでください。

我々看護師や医療従事者は矛盾を顔に出さず、仕事をするのです。

それはこの仕事の宿命かもしれない。
顔には出さない。
口にも出さない。
態度にも出さない。
そう、出してはいけない。
押し殺せ。
笑顔で対応しろ。
白衣の天使を演じろ。

本当の五輪の闘いは、病院にあることを忘れない。

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