コロナ禍でできた受付トリアージという新しい部門

コロナ禍になって病院の様々なルールが変わりました。

その1つが、受付トリアージです。

ポーポー

受付トリアージ?なんだそれ?

そう、一般名称がそれなのかよくわかりません。
しかし、当院ではそう呼んでいます。

さて、それは何のためにするのでしょうか?
そして、それをして何か変わっているの?

その中で見えるものは?

そんな新しい景色のお話です。

あくまでも方法は「某病院の場合」です。
そして、某病院は丁寧な方法だと思います。
これが良いのか悪いのかは、何年か後の歴史が証明してくれるはずです。

それでは、未来のための備忘録はじまりはじまり・・・。

目次

入り口で熱測るだけなのに悩んだ

最近じゃ珍しくなくなった、入り口にiPadのような非接触自動認識体温計(名前長いので、以下AI検温計)。

あれ、様々なお店だけでなく、当然病院の入り口でもたくさん見かけます。

実はあれ、当院では置いていません。

病院入り口に毎日数名スタッフが常駐し、非接触式の体温計をピストルよろしく握り締め、みんなのおでこや首筋で検温しまくっています。たくさんのデモを繰り返したのですが、結局は多数決でそこで働く人たちから却下されました。

なぜか?

大人もいれば、小児もいる。新生児もいれば、車椅子で通院する高齢者もいれば、障害を持ったお子さんの車椅子を押す親もいる・・・
とまぁ、来院される方は病院ですから多岐にわたります。

その方々に対して「検温してから入ってください」とアナウンスをして、全員が従ってくれたと仮定します。

その場合、それは受付で行うのではなく、もちろん「病院入り口」です。
そこに置いたとしても、せいぜい2台程度でしょう。
それを混み合う時間に列を作ってちゃんと検温してくれるのか。
顔で検温(認識というか検知するというか)する場合は、その高さに合わす苦労も必ず出てきます。

となれば、必ず列は渋滞します。
車椅子の方や、新生児を抱っこひもしている場合はもっと厄介です。
となれば、結局は職員の誰かが検温をする方が早い、という訳です。

実はあのAI検温計、ものすごい種類や機能があります。

熱発しているのをお知らせするだけではありません。

  • マスクをしていないと「マスクがありません」と検温する前にブザーがなる。
  • 会社向けだと、カメラに顔を映すと、タイムカードよろしく顔認証し出勤のカウントができ、同時に検温もでき記録される。
  • 空港のような大人数が一度に人が行き来する場所では、一瞬でその範囲の人間を検温し、モニター監視しているスタッフに熱発者をモニターでお知らせすることができる。

などなど、お金が無限にあればいくらでも多機能になります。
ただ、熱発者が居た場合、結局次の段階は「人間」が必ず関与しないと検温は完了しないのがなかなか厄介でもあります。

熱は測った。で?

熱測りました。
そうすると、皆さんは目的の場所へ向かいます。

今はほぼどこの病院も面会のための来院はお断りしている状況ですから、ほぼその検温対象者が患者である場合が多いです。
それを、いちいち聞くんです。

「すいません、お熱測らせていただきます。36.2ですね。今日はご予約ですか?」

大体、このようなセリフを常駐スタッフが話しかけます。

「はい、外科に受診です」

と答えたとします。

その後

「この2週間の間に、熱が出たり、下痢や嘔吐などの消化器症状はなかったですか?

と聞きます。

ほぼほぼ

「ないです」

と返答があるので

「では手指消毒してから受付へどうぞ」

と促します。

どうです?めちゃ丁寧でしょ??

実はここが問題だったりする

最初に受付時の熱の測定について書きました。
今は受付で検温する場合は非接触の体温計ですので楽ちんです。

ただ、やっぱり病院ですから発熱している方も来院する訳ですよ。
その場合は腋窩(わき)で測定します。

そして強制的に発熱外来へ行っていただきます。
そもそも、熱があるのでコロナかも?と来院される方は良いのです。

皮膚科予約受診なのに、内服薬をもらいに来ただけなのに・・・本人の都合はさておき何であれ「熱がある!」という事実があれば、ベルトコンベアー式に発熱外来へ回されます。

「・・・なんでよっ?」

口に出して訴える方もいますが、多くの人は渋々納得して発熱外来へ向かってくれます。
この辺は2020年とは違う景色かもしれません。

熱はない。しかし、下痢がある。吐き気がある。
これも発熱外来行きです。

熱ないですよ!と強く主張される方もいますが

「熱がなくても消化器症状があることでコロナにかかってる場合があるんですよ」

と説明し、発熱外来へ・・・。

そこで問診、ないしコロナウイルスの有無を検査したのちに、晴れて「予約」や「来院の目的」へ向かうことになります。
ごく少数、発見されて帰宅される方もいますね・・・。
毎日リハビリに来ている方も、毎日同じことをトリアージされます。
炎天下で徒歩で来院された方は、少し涼んでいただいてから検温します。

そこから見える人間交差点

で、これが2020年コロナ禍から生まれた「受付トリアージ」ですが、ここで様々な人間交差点が見られます。

  • 熱もない、消化器症状もない、だけどPCRをしてほしい、と主張する人。
  • 人混みに紛れて面会を試みる人。
  • 検温で37度以上あっても、認めない人。
  • 「ワクチン余ってませんか?」と突撃訪問の人。
  • 「ワクチン1回打ってます」と語気が強い人。
  • 「ワクチン2回終わってるんで」と謎の覇王色を出してくる人(2回接種済みでもコロナ陽性の患者さんは普通にいます)。
  • 耳が遠くてマスク越しでも飛沫を心配してしまうほどの大声で会話しないとダメな場合。
  • そもそもマスクをしてこない人。
  • せっかく受付トリアージで質問しているのに、嘘ついて消化器内科から「下痢嘔吐で来てるじゃないか!COVID−19検査なんでしてないんだ!」と医者からキレられる。
  • 発熱外来で陽性とわかり、その原因が友人と遊びに行ったことだとバレた学生さんが親に病院入り口前でブチギレられてる。
  • 仕事なので「今日はご予約ですか?」と聞いたら「予約はしてないんですけど・・・」と患者さんが丁寧に病状説明してくれるが、実は聞いているのが事務職員なので患者さんに申し訳ない(トリアージなので大きく分別するだけなのですが、患者さんからすればそんなことわかるはずもなく、事務職員とはいえ医療スタッフとしては聞き出すと途中中断させにくいわけで・・・・)。

とまぁ、某病院の一例です。

もっと厳重だったり簡易なトリアージをしている病院もあれば、全くトリアージをしていない病院もあるでしょう。
どれが正解なのか、ベストなのかは何年か先の未来に評価できるでしょう。

今は、それぞれの病院でできることを本当にやっているのか?という姿勢が問われているように思います。
私もこれらのトリアージを実践している身として、この方法が正しいとも思っていません。ただ、コロナ禍において院内でも様々な価値観がぶつかり合い、本当にカオスな日々です。

意味があるとしても「いつまでトリアージをするんだよ・・・」と先の見えない憂鬱な気持ちに正直なります。

すなわち、コロナ前と後では「受付トリアージ」という病院のあるべき姿が変わる、すなわち「新部門の誕生」が当たり前になるのか、ならないのか、そこすらも働いている我々ですら見えない、覚悟ができていないのですよ・・・。はぁ。

ただ、今の段階で一つはっきり言えることは、
コロナウイルスが五類感染症になったとしても、そもそも完璧な感染対策なんて病院でもできない(わからない)のに、コロナ前のように発熱外来というジャンル無しに普通に外来で診ることは、病院勤務している身として、管理者としては恐ろしくて受け入れられないのは確かです。

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